法定相続情報証明制度は、相続手続きを簡素化し、効率的に進めるために導入された重要な制度です。この制度を活用することで、複数の相続手続きを一度に行えるようになり、時間や労力を大幅に削減できます。本記事では、法定相続情報一覧図の作成方法と、制度の申出手順について詳しく解説します。相続手続きでお悩みの方は、ぜひご一読ください。
法定相続情報証明制度とは?相続手続きを簡素化するポイント
法定相続情報証明制度は、相続手続きに必要な相続人の情報を一覧図にまとめ、法務局で証明してもらう制度です。この制度を利用することで、相続登記だけでなく、金融機関や預貯金の名義変更、相続税の申告、年金の手続などに使用することができます。
法定相続情報一覧図のメリットはズバリ!
法定相続情報一覧図の写しは、戸除籍謄本等の束の代わりになるため、各種相続手続で戸除籍謄本の束を何度も出し直す必要がなくなります。
法務局資料より
法定相続情報証明制度の申出手順|必要書類と流れを徹底解説
法定相続情報証明制度を利用するためには、法務局への申出が必要です。以下に、その申請手順を詳しく解説します。
1. 必要書類の準備
申出に必要な書類は、以下の通りです:
- 被相続人の戸籍謄本(出生から死亡までの連続したもの)
被相続人の相続関係を正確に把握するため、出生から死亡までの戸籍謄本が必要です。 - 相続人全員の戸籍謄本
各相続人の戸籍謄本を取得し、法定相続分を確認します。これにより、相続関係説明図を正確に作成することが可能です。 - 被相続人の住民票の除票または戸籍の附票
被相続人の最終住所を確認するための書類です。住民票の除票または戸籍の附票を取得しておきましょう。 - 相続人全員の住民票
現在の相続人の住所を確認するため、住民票を用意します(法定相続情報一覧図では任意情報)。
まずは、これらの書類を揃えて、相続関係説明図を正確に作成することが大切です。ご自身の記憶をたどるのではなく、このような公的書類を事実として作成しましょう。
2. 法定相続情報一覧図の作成
書類が揃ったら、次に法定相続情報一覧図を作成します。詳細な作成方法については、次の項目で解説しますが、正確な情報を記載することが求められます。
3. 法務局への申請
作成した法定相続情報一覧図と準備した必要書類を、被相続人の本籍地又は最後の住所地、申出人の住所地、被相続人名義の不動産の所在地を管轄するいずれかの法務局に提出して申出書を提出します。申出時には、認証済みの一覧図の写しを何部必要かも指定できます。申請が受理されると、法務局から認証済みの一覧図が交付され、それを使用して相続手続きを進めることができます。
法務局に提出する申出書
詳細な手続きの流れや申請書類については、法務局の法定相続情報証明制度をご確認ください。
法定相続情報一覧図の書き方|具体的な手順と注意点
①相続人が配偶者と子一人の場合。
②配偶者と兄弟姉妹(配偶者と被相続人の弟)の場合
書き方のポイント
作成者:作成した日を記載し、自身の住所を記載の上、記名する。。
最後の住所:住民票の除票(又は戸籍の附票)により確認して記載する。(最後の本籍の記載は、申出人の任意であるが、住民票の除票等が市区町村において廃棄されている場合は、被相続人の最後の住所の記載に代えて最後の本籍を必ず記載する。)
住所:住民票の写し等にあるとおり記載する。※相続人の住所の記載は任意である。記載する場合は、住民票の写し等にあるとおり記載するとともに、その住民票の写し等を提出する必要がある。記載しない場合は、「住所」の項目を削除する。
申出人:申出人となる相続人には氏名の横に(申出人)と記載する。
認証済みの法定相続情報一覧図
見本
↓記載例
まとめ|法定相続情報一覧図を正確に作成し、スムーズな相続手続きを
法定相続情報証明制度を活用することで、相続手続きを効率化できる大きなメリットがあります。しかし、そのためには、正確な法定相続情報一覧図の正確な作成が不可欠です。本記事で解説した手順を参考に、誤りのない一覧図を作成し、スムーズな相続手続きを実現してください。不安がある場合は、行政書士などの専門家に相談することをお勧めします。