相続問題を説明するイラスト。邸宅と電卓で相続を想起するシーン。

遺産分割協議書は、相続人全員が遺産の分割方法について合意した内容を記載する重要な書類です。正しく作成されていないと、後々のトラブルや相続手続きの遅延につながる可能性があります。この記事では、遺産分割協議書の書き方について詳しく解説します。

遺産分割協議書の形式は決まっているのか

遺産分割協議書には法律上の形式が特に定められているわけではありませんが、記載内容が明確であることが必要です。書面にて作成し、全ての相続人が署名・押印する手続きを経ます。書式は特段決まっていなくて、自由ですが、内容が不明確であったり、相続人全員の合意が確認できない場合には無効となる可能性があります。したがって、記載内容や形式には注意が必要ですね。

遺産分割協議書には、何を記載すれば良いか

遺産分割協議書には、以下の内容を記載します:

  1. 相続人全員の氏名と続柄
    遺産分割協議に参加する相続人全員の氏名と、故人との続柄を明記します。
  2. 遺産の詳細な内容
    遺産の具体的な内容を明確に記載します。例として、現金、預貯金、不動産、有価証券、動産(車や家財道具など)などを挙げ、それぞれの評価額や配分方法を示します。
  3. 分割方法の詳細
    相続人ごとに、どの遺産をどのように分割するかを詳細に記載します。例えば、長男には不動産A、次男には預貯金〇〇万円といった具合に明確にします。
  4. 合意内容の確認
    相続人全員が記載内容に同意していることを明記し、最後に全員が署名・押印します。

遺産分割協議書は国税庁のひな型を使用しましょう

いざ、遺産分割協議書を作ろうとしても見本が無いと書きにくいですよね。そんなときは国税庁のHPからひな型(P36 )をダウンロードできますので、参考にしてみてください。
縦書きでも横書きでも良く、手書きでもWordでも構いません。

国税庁の遺産分割協議書のひな型

遺産分割協議書は、いつまでに作れば良いか

遺産分割協議書の作成には法律上の期限はありませんが、できるだけ早めに作成することが望ましいです。理由としては、相続手続きには期限が設けられていることが多く、特に相続税の申告期限が、「相続開始を知った日の翌日から10か月以内」と定められています。遺産分割協議が完了していないと、税制上の優遇措置が受けられなくなる可能性があります。また、相続人間での合意形成に時間がかかることもあるため、早めの対応が必要です。

遺産分割協議書は、どのような手続きに使用するのか

遺産分割協議書は、主に以下の手続きで使用されます:

  1. 不動産の名義変更
    不動産登記簿上の名義を相続人に変更する際に、遺産分割協議書が必要です。
  2. 銀行口座の解約・名義変更
    故人の銀行口座を解約する際や、口座の名義を相続人に変更する際にも、遺産分割協議書が求められます。
  3. 相続税の申告
    相続税の申告の際に、遺産分割協議書を提出することで、相続税の計算基準を明確にできます。
  4. 自動車の名義変更

遺産分割協議書の作り方がわからないとき、どうすれば良いか

遺産分割協議書の作成は、複雑で難しいと感じるかもしれません。そのような場合は、行政書士などの専門家に相談することをお勧めします。専門家に依頼することで、遺産分割協議書の書き方だけでなく、必要な書類の作成や手続きをスムーズに進めることができます。また、税理士であれば税金に関するアドバイスも受けられるため、安心して手続きを進めることができるでしょう。相続に関するトラブルを未然に防ぐためにも、専門家のサポートを活用しましょう。

まとめ

遺産分割協議書の作成は、相続手続きの重要な一部です。形式や内容には決まったルールがないため、慎重に進める必要があります。相続人全員が合意した内容を正確に反映させることが、将来のトラブルを防ぐ鍵となります。専門家の助言を活用しながら、適切な遺産分割協議書を作成しましょう。